昨日、とても大切な人が、陣痛に耐えていた。
お昼過ぎまでは、LINEに連絡が来ていた。
短い言葉から、彼女の辛さ、不安、怖さが痛いほど伝わる。
そして、その痛さ、辛さが身に染みて分かるだけに…
大好きな人が、今、とても辛い思いをしてるかと思うと、涙が止まらなかった。
なんと声をかけてあげたらいいのか…
既に頑張ってる彼女に、“頑張れ“なんて言えない。
あの壮絶な痛みと闘っている人に、何を言っても、軽い言葉になる気がして、言葉が出てこない…
無力…
自分以外の出産で、ここまで身近に関わるのは初めてだった。
ただただ、遠くから、無事を祈ることしかできない。
何をしていても、気が気じゃなかった。
夕方以降、パタっと連絡が無くなった。
おそらく、本格的な陣痛に移行したのだと思った。
そして、深夜、彼女の旦那さんから、連絡が入る。
“母子共に健康“
赤ちゃんの写真が添えられていた。
たまらなく可愛かった。
今日の日中、電話で彼女と話をした。
いつもの声で、いつものテンポで、昨日を振り返っていた。
体はボロボロだろうが、気持ちは、とても元気そうで、安心した。
“昨日は、いてくれてありがとう“
と、彼女は言ってくれた。
私は遠方から、LINEを返しただけ…
何も出来なかったのに…
でも、そう言ってもらえて、嬉しかった。
彼女のおかげで、間接的ではあるが、また、出産という経験が出来た気がした。
産まれるまでは、とても辛く、険しい道のりだが、やはり、産まれた時の喜びや幸福感は、何度経験しても特別だ。
こんな、貴重な経験をさせてくれて、こちらこそ、ありがとう。
今回、ふと、将来の自分の娘たちの出産のことを想像した。
きっと、私はまた号泣するだろう。
そして、その時には、娘の隣で出産を迎えられる世の中になればいいなと、強く思った。