彼女の涙を見て、母は、何だかとても安心した。
この負けん気があれば、これから先も、大丈夫だ‼︎と思った。
1年生の1学期も、もう終わろうとしている。
最近、足し算の勉強が始まった。
そして、宿題には、お決まりの”足し算カード”
長女の時は、とにかく真面目に真面目に取り組んでいたのを思い出す。
ところが、次女は…
初日、私がキッチンで料理をしながら聞いているのをいいことに、カードをめくり、明らかに裏面の回答を見ながら答えている。
もちろん、指摘。
別の日は、何回か間違えるので、もう1回‼︎と要求すると、機嫌を損ねる。
早く、人形遊びがしなくて仕方ないのだ。
そして昨日…いつもみたいに、要領よく終わらせ、遊ぼうとする彼女に、
お姉ちゃんと競争したら?
と提案する。
すると、姉には絶対負けたくない、妹のプライドに火がついた。
いつもの姿が嘘のように、真面目に練習しだした。
母からすれば、その時点で、既に作戦成功だ😂
練習中、ミスをする度に、明らかにイライラする次女。それだけ真剣なのだ。
その横で、3学年上の姉は、余裕な表情で、次女を見ている。
母は、複雑だ。
もし、長女が負けるようなことがあれば、色んな意味で、大問題だ。
しかし、次女が勝てば、毎日、ダラダラ宿題をする、長女のやる気スイッチを押せるかも…と、淡い期待もする。
どちらが勝つのがいいのか?
そんな、答えの出ない難問を、頭の中でぐるぐる繰り返す。
そして、七夕の夜、早めに帰宅した主人の夕食が終わるな否や、3学年差姉妹の、足し算競争が始まった。
結果は…
もちろん、長女の勝ち。
妹の横で、得意げに喜ぶ姉。
いやいや、当然だ‼︎
そして、タイム計測をしていたので、次女に、最後までやるように促す主人。
⁈
足し算の続きをする、彼女の声がおかしい
…えっ⁈
もしかして、泣いてる?
こちらが声をかけると、一気にその涙が溢れ出した。
姉に負けて、悔しいのか、間違えたことが、悔しいのか…
少し驚いた。
普段、なんでも要領よく物事をこなす彼女。
マイペースな姉に比べれば、とにかく何をするのも早く、おまけに、なんでも、それなりに出来てしまう。
しかし、蓋を開けてみれば、中身はぐちゃぐちゃだ。
とにかく、何でも、姉には負けたくない彼女。
昨日は、そんな彼女の、秘めたる闘志に火がついたのだ。
無謀な勝負をさせた私も、かなり意地悪だが…
彼女の悔し涙を見ることができて、とても嬉しかった。
それでいい‼︎
負けて悔しいと思える、その気持ちが大切なんだよ‼︎
と、彼女にも声をかけた。
その後,改めて、タイム計測を行うと…
1分11秒‼︎
‼︎
やっぱり、彼女は持っている。
次は、姉に勝って、”1位”になれそうだ。
さて、今日の宿題は、どんな顔でするのかな?
母は、料理に集中するフリをしながら、彼女の様子をチラチラ見る。
母は、やっぱり意地悪なのだ🤣