やっぱり路線バスに乗るの好きかも…
そう言えば、昔も好きだったなぁ…
今の土地に住んで丸3年、先日、初めて路線バスに乗った。
乗り遅れない様にしなきゃ‼︎と、前日からそわそわ。そして、久しぶりにバスに乗れる嬉しさから、遠足の前みたいに、わくわくしていた。
独身時代の通勤は、バスと電車。
休日も、公共交通機関を利用して、外出することがほとんどだった。
乗り物に対して、特別な思いがあるわけではないが、昔から、電車やバスに乗るのは、何か好きだった。
もう少し、具体的に言うなら、公共交通機関に乗っている時間が好き。
何も考えず、ただ、外の景色を見ながら、ボーッとしていられるから。
いつも何かに追われながら生活をしている日常の中で、何も考えず、ボーッとできる時間は、限られている。
特に、会社勤務時代、朝起きて、バタバタと支度をし、ギリギリで飛び乗ったバスの中で、それまでの慌しさや、これから仕事に向かう憂鬱な気持ちを、一瞬だけ忘れ、無になれる状態だった。ただ、朝のラッシュ時は、混んでいるので、のんびりと座って…とはいかないが、手すりや、吊り革に体重を乗せながら、何も考えず、窓の外だけを見ていた。
帰宅時もそう…仕事で疲れ、クタクタになりながら乗ったバスの中、家に着いたら、また慌しく、就寝に向けて、動かなければならない。バスの中は、その間の、無になれる、わずかな時間。
公共交通機関は、基本的には、大きい音や声は聞こえてこないため、無になるにはちょうどいい。
さらに、電車に比べて、バスは、万が一、ウトウトして、降り過ごしたとしても、取り返しがつかなくなるほど、遠くに行く心配がない。
観光バスではなく、路線バスは、見慣れた景色の中を走るので、外の景色を見て、テンションが上がる事もなく、常にフラットな精神状態を保てる。
たまに、考えごとをしたとしても、この空間の中でなら、普段より、ゆっくり、考え事に向き合える気がする。
そんな理由から、昔から、バスに乗っている時間が好きだった。
先日、バスに乗った目的は、自分の行動可能範囲を確認するため。
仕事を探すにあたり、時間的にも、距離的にも、自分がどこまで動けるのか、知りたかった。
コロナ禍で、この地に移り住み、バスや電車に乗りづらい時期が続き、車を運転しない私には、いまだに、土地勘がない。
よく、車の助手席や、自転車には乗っているので、景色は見た事あっても、仕事の募集メールに記載されている住所を見ても、それが、どの辺りのことで、果たしてそれが、自力で、通える場所なのかどうかが分からない。
少しずつでも、前に進めたいのに、そんな気持ちとは裏腹に、本題の、仕事を探す前の段階でつまづいている状況に、なんとも歯痒さを感じる日々。
とにかく、今ある問題を、一つ一つクリアにしていこう。そんな思いで、私はバスに飛び乗った。
その時は、バスの中は空いていて、ゆっくり座ることができた。
やったぁ‼︎と内心はガッツポーズ。
終点の駅まで、どの辺りを通っていくのか、ただ、窓の外を見ていた。
ただ座って、何も考えない時間…
久しぶりだなぁ。
次第に、睡魔を感じるようになる。
あぁ、この感じだぁ。
何だか嬉しくなった。
終点の駅に付き、2時間ほど、ウィンドウショッピングをし、再びバスに乗る。
行きは、雨が降っていたが、帰る時には、晴れていた。
やっぱり気分も上がる。
帰りのバスは、ボーっとしながらも、自分が働いたら、どんな風に通勤するのかなぁとか、どんなところで働くのかなぁ、その時、どんなことを考えて、このバスに乗るんだろう…と、勝手なイメージを膨らませていた。
久しぶりにバスに揺られ、ただ、窓の外を眺め、日常とは、少し違う時間の流れを感じ、身を任せることで、気持ちが楽になった。
あぁ、やっぱり、この時間好きだなぁと思った。
そして、最寄りのバス停に着いた時には、心も体も、何だかスッキリしていた。
頑張って、仕事探そ!っと、思えた。
また、ゆったり、バスに揺られて、出かける時間が持てたらいいなぁ♡